好きなアニメのキャラクターや漫画のイラストなどを使ってオリジナルのキーホルダーを制作してみたいと考えている方はたくさんいるでしょう。
しかし、そんなオリジナルグッズを制作する際には注意しなければならない事がいくつかあります。
それは、アニメや漫画には著作者が存在するという事です。
知らないうちに著作権や肖像権を侵害していては、大変なことになってしまう可能性があります。
今回の記事では、そんな著作権や肖像権に関するポイントを紹介します。
ぜひ参考にしてください。
目次
キーホルダーの肖像権と著作権
今回の記事で解説する肖像権と著作権についての概要を説明します。
この2つは、オリジナルグッズを制作するにあたって必ず知っておく必要のある知識です。
順番に見ていきましょう。
肖像権
肖像権は人間の容姿について、許可なく撮影や公表することを防ぐための、保護を受ける権利のことを指します。
他人の顔を無断で撮影することや、それをグッズ化することは肖像権の侵害に当たります。
肖像権は、メディアに露出する芸能人のような職種の方だけでなく、一般人にも当てはまる誰にでも当てはまる権利です。
テレビの取材などにおいて、映像に映り込む人の顔にモザイクがかかっているのは肖像権を守るためです。
そのため、アイドルや有名人の写真でオリジナルグッズを制作する場合には、もちろん注意が必要ですが、外で撮影した他人が映り込んでいる写真などを使用する際にも注意する必要があります。
また、有名人の場合は存在自体に商品的及び経済的な価値があると考えられており、肖像権のみならずパブリシティ権の侵害にあたることもあるのです。
肖像権については、刑法で罰則を当てる規定はありません。
しかし、刑法ではなく民法によって責任を問うことは可能です。
民法第709条に不法行為による損害賠償という以下の取り決めがあります。
“(不法行為による損害賠償)
第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。”
この取り決めを根拠に、問題のグッズの差し止め請求や損害賠償請求が認められるケースは少なくありません。
著作権
オリジナルのキーホルダーを制作する際には、肖像権だけでなく著作権にも注意が必要です。
肖像権が人間の容姿などに対する権利である一方で、著作権は本や音楽、キャラクターなどの著作物に対する権利です。
音楽や美術、イラストやCDのデザインなど、誰かが作ったものには全て著作権があります。
何かを創作したら作者に対して自動的に著作権が与えられるので、特許と違って申請の必要などはありません。
また、著作権は譲渡することが可能であり、作者以外の人に著作権が移行していることもあり得ます。
好きなキャラクターでキーホルダーを制作する、人のデザインを用いてグッズを制作するなどの行為は、知らないうちに著作権を侵害しているかもしれないので注意しましょう。
誰かが作ったデザインやキャラクターを用いたオリジナルグッズは、全て二次創作物です。
そして、二次創作物を販売することは著作権の侵害に当たります。
著作権侵害を起こした人は憲法119条1号の取り決めにより、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が求められます。
また、著作権を侵害された側は著作物に悪い影響を与えるグッズの差し止めや、損害賠償の請求が可能です。
自分が好きな物を使ってキーホルダーを制作したい場合は、事前に著作権の侵害の有無を確認することが大切です。
キーホルダー制作時の注意点
自分は大丈夫だと思っていても、気づかないうちにオリジナルグッズが著作権や肖像権を侵害している事例は少なくありません。
自覚の有無に関わらず、法的に責任問題を問われる可能性は十分にあります。
あらかじめ注意点を知っておいて、権利の侵害をしてしまわないようにしましょう。
無許可で原作のキャラクターを使用
漫画やアニメなど、原作のあるキャラクターを無許可でオリジナルグッズに取り入れること及び販売することは著作権の侵害に当たります。
現状では、管理の難しさや侵害の是非の判断が難しいので、作者側が黙認しているケースもあります。
しかし、二次創作物を大々的に販売したり原作に悪影響を与えるような物を作っていると、犯罪として訴えられる可能性があるので、気をつけましょう。
また、著作権のある創作物を著作者に無断で改変することも法律で禁止されています。
原作のキャラクターの一部分を少しだけ変えたり、公式グッズのオリジナル版を模作することもしてはいけません。
承諾なしに芸能人の写真などを利用
アニメのキャラクターを使用する時に著作権が存在するのと同様に、実在する芸能人やアイドルを使用する時には肖像権が絡んできます。
芸能人だけでなく、人間なら誰でも肖像権を持っています。
そんな中でも芸能人やアイドルは存在に商業価値がついているので、無断で画像を使用したり許可なく撮影した映像を公表することなどはできません。
芸能人の写真や映像を無断で使用することはパブリシティ権の侵害になる可能性があります。
また、制作したキーホルダーに一般人が写り込んでいた場合にも著作権侵害にあたることがあるので、有名無名に関わらず被写体を特定できる写真を使うときは細心の注意が必要です。
キーホルダー制作で肖像権・著作権を侵害しないためには
キーホルダーを制作する際には肖像権や著作権に気をつけることが大切だとわかりましたね。
では実際にキーホルダー制作で肖像権・著作権を侵害しないためにはどうすれば良いのでしょうか?
安全に楽しくオリジナルグッズを制作するための、4つのポイントを紹介します。
私的利用または非営利目的
権利を侵害せずにキーホルダーを制作するなら、私的利用または非営利目的に留めておきましょう。
私的利用の範囲で個人的に楽しむ分には、原作のあるキャラや有名人の写真を使っても著作権の侵害にはなりません。
私的利用とは、家族や少数の友人など限られた交流内で趣味的な楽しみ方をすることです。
アイドルやアニメキャラを使ってキーホルダーを制作しても、自分がカバンなどに付けて使用する場合は私的利用となります。
非営利目的での使用とは、利益を得るためにオリジナルキーホルダーを販売したりしないことです。
著作物を用いて作ったグッズを販売するのは著作権違反に該当します。
そのようなグッズを作る場合は、販売などはせず私的利用にしましょう。
また、販売しなければ権利の侵害にならないわけではありません。
利益を得なくても大量の友人にキーホルダーを配った場合、それは私的利用の範疇を超えてしまいます。
少人数の仲の良い友人だけに配る場合は私的利用に含まれることもあるので、この辺りの線引きは少し曖昧なところです。
私的利用のつもりでも権利の侵害と判断されるリスクを考えると、誰彼構わずにオリジナルグッズをプレゼントすることは避けた方が無難でしょう。
権利者の許可取得
キーホルダー制作において、著作権や肖像権の問題が発生する理由の根源は権利のある物を無許可で使用するからです。
つまり、権利者からキャラクターや被写体の使用許可を得ていたら権利の侵害として罰せられる可能性は限りなく低くなります。
アニメキャラのお菓子や芸能人のコラボポスター、クリアファイルやタオルなどは全て権利者の許可を得て制作及び販売を行なっています。
既存の権利物を用いたキーホルダーを制作・販売したい場合は、正式に使用の許可を申請して権利者から承認してもらうようにしましょう。
しかし、実際は個人で公式から使用許可を得ることは難しく、一般的ではありません。
アニメの場合、作品によって二次創作が許可されているパターンもあります。
条件や審査付きの作品もありますが、そのような場合は許可の範囲内であれば法律上問題なくキーホルダーを制作する事ができます。
許可の有無は作品によって異なるので、個別に公式サイトなどで確認することを推奨します。
オリジナルのキャラクターを使用
自分で考案したオリジナルキャラクターを使用すれば、著作権の問題を気にすることなくキーホルダー制作を楽しむ事ができます。
オリジナルデザインのキャラクターならば、他人の著作権を侵害する心配はありません。
それどころか、そのキャラクターの著作権はあなた自身のものです。
グッズの制作や使用、販売や配布も全て自由に行う事ができます。
キーホルダーを自作したいけど著作権や肖像権が不安…という方には、オリジナルキャラクターの考案をおすすめします。
自分で考えるのが難しい場合は、業者やデザイナーに依頼すれば良いでしょう。
また、キャラクターと同様に、自分で撮影した写真もキーホルダーやオリジナルグッズに使用する事ができます。
その際には、第三者が個人を特定できる形で写り込んでいないように注意しましょう。
フリー素材使用
フリー素材を使用してキーホルダーを制作するのも1つの方法です。
この記事におけるフリー素材とは、Web上で配布されている無料で使える画像のことを指します。
コストをかけず手軽に利用できるので、フリー素材を利用している人はたくさんいます。
現在Web上で見つける事ができるフリー素材はかなり豊富で、物によってはいくつかの条件が付いている場合があります。
例えば、個人利用は問題なくても商用利用は不可もしくは有料な素材や、使用する際にはクレジットを明記する必要のある素材などです。
これらの条件は素材ごとに違っていたり、フリー素材を配布しているサイトごとに違っていたりするので、使用したいフリー素材を見つけたらその時に使用条件についても目を通すようにしましょう。
まとめ
今回の記事では好きなアニメのキャラや芸能人などを用いてキーホルダーを制作する際の注意点を解説しました。
人の写真や動画には肖像権が、アニメや音楽などの制作物には著作権が発生します。
これらの権利を無断で侵害すると、犯罪とみなされるかもしれません。
キーホルダー制作で肖像権・著作権を侵害しないためには、私的利用または非営利目的での制作に留めておくことや、権利者からの許可の獲得が必要です。
場合によっては、オリジナルキャラの考案やフリー素材の利用も考えてはいかがでしょうか?
今回の記事を参考に、多くの人が楽しくキーホルダーを制作できれば嬉しく思います。
本記事を読んで、少しでもキーホルダー制作に興味を持っていただけた方はぜひ、日本キーホルダー工業の公式サイトをご覧ください。
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