
「アクリルキーホルダーの印刷・カット・仕上げの工程を知りたい!」
「アクリルキーホルダーのデザインデータの作成方法について知りたい!」
そんな、アクリルキーホルダー制作や印刷の流れに関して興味を持っている方に、今回は下記の内容について紹介します。
・アクリルキーホルダーのデザインデータ作成の流れ
・デザインデータのアクリル板への印刷
・アクリル板のレーザーカット
・接続パーツ(キーホルダー金具)の取り付け
本記事を読めば、アクリルキーホルダーのデザインデータ作成や印刷、カット、仕上げについて知ることができます。
また、本記事では、弊社で実際に使用しているUVプリンター(アクリルキーホルダーの印刷機)や、レーザーカット機材といった専門的な内容も公開していますので、ぜひご覧ください。
まずは、近年アニメやゲームで、公式も同人も爆発的な人気を誇る「アクリルキーホルダー」の制作の流れをご紹介します。
アクリルキーホルダー制作の流れ
一般的に アクリルキーホルダーの制作は以下のような流れとなります。
- データ作成、印刷データへの調整
- アクリル板へ印刷
- レーザー加工機によるアクリル板のカット
- 接続パーツの取り付け
それでは、ひとつずつ見ていきましょう。
1.データ作成、印刷データへの調整
まずはアクリルキーホルダー用のデザインデータの作成から説明します。
このキャラクターの絵(元画像はJPGデータ)を元にしてデザインデータの作り方を説明します。
AdobeのIllustratorを使ってデータは作成します。元画像のJPGデータを貼り付けたら、アクリルキーホルダー制作用データの特徴である「白版用のデータ」と、「レーザーカット用のカットライン」を作成します。
白版とは・・・アクキーの素材はガラスよりも透明度の高いアクリル板でできています。そのような透明度が高い素材に印刷をする場合、カラーインクのみの印刷では、ステンドグラスのような透け感のある仕上がりになります。そこで、デザインを透けさせない仕上がりにするために、ベースに白インクで印刷をする必要があります。そのような加工を、印刷用語では「白押さえ」と呼び、元となるデータのことを「白版」と呼びます。
・・・と、文字で説明されてもわかりづらいですね。ということで、実際に写真を使って説明します。
印刷機のカラーヘッドはCシアン■、Mマゼンタ■、Yイエロー■、Kブラック■、の4元素とWホワイト□とに分かれています。
白版をつくらず、つまりはWホワイトを使わずにCMYKだけでアクリル板にカラー印刷してアクリルキーホルダーを制作をすると・・・
このようにアクリルの透明さが透けた状態の仕上がりとなります。この透ける仕様を利用したデザインアイデアもあるのでそれはまた事例として紹介します。
通常はこのように「透けてしまう感じ」を回避する為には、CMYK印刷をした後に上から(キーホルダー前面からみると裏側から)Wホワイト印刷を施します。
そうすることで、カラーが透けないようになるのです。
この白版の作り方ですが、元素材のJPGからキャラクター部分を抜き出して画像の輪郭ひとつひとつにパスを付けてK100%に色付けをし、パスデータのサイズをデザインよりも0.1mm内側に小さくして下さい。さらにレイヤーを分けて白版レイヤーとします。
白版用パスデータに対して2.5mm外側にカットラインのパスデータをつくります。パスのオフセット機能を使うと便利です。こちらもレイヤーを分けカットラインレイヤーとしたあとに吊元穴用のパスを作成し、先に作成したパスデータと統合してカットラインのパスデータを完成させます。
この状態でアクリルキーホルダー用のデザインデータ作成が完了となります。
2.作成されたデザインをアクリル板に印刷
次の工程はさきほど作成したデザインデータをアクリル板に印刷する工程です。
アクリルキーホルダーの印刷にはUV印刷という印刷方法が用いられています。
UV印刷とは・・・UV硬化型のインクで印刷物に印刷すると同時にUV(紫外線)をあてインクを硬化させる印刷方法となります。油性印刷とは違いインクが染みこまない素材にも印刷できることや、瞬時に効果するため、乾燥の時間もいらないことが特徴です。
日本キーホルダー工業では、アクリル印刷にRoland VersaUV LEF-200とMIMAKI UJF6042-MK2を使用しています。どちらも国内トップメーカーによる最高品質の印刷ができるUVプリンターとなります。
↑ Roland VersaUV LEF-200
↑ MIMAKI UJF6042-MK2
今回は色の発色に定評があり、アニメやゲームのキャラクターグッズによく使われるRoland VersaUV LEF-200を使用して印刷してみます。
同人グッズとしてのアクリルキーホルダーもこのプリンターを使用して制作されることが多く安定の仕上がりに定評がある機材です。
今回は白版無しバージョンもつくります。
キーホルダーの裏側にあたる方向に、まずはデザインレイヤーのCMYKを印刷し、その上から白版レイヤーのベタ塗印刷をします。
ちなみに、UVプリンターとはインクをのせたあとにUVライト(紫外線)を照射し瞬時にインクを固めてしまう方式のインクジェットプリンターです。
アクリルのようなツルツルした素材でもインクをはじかずに色が乗るのは、この「UV硬化」という技術を使っているからなのです。
↑ 印刷完了ほやほやのアクリル板です。
3.デザインが印刷されたアクリル板をレーザーカット
印刷の工程が終了すると、次はいよいよアクリル板のカット作業になります。ここまでくるとアクリルキーホルダーの制作もいよいよ大詰め。
アクリルキーホルダーのカットは、データ作成時につくったカットラインレイヤーに作成されたパスデータに沿ってレーザーをあて、熱でアクリル板を焼き切っていきます。
レーザーカットに使用する機材は、GCC SPIRITと、EPILOG LASER Helix Fusionを使用しています。
↑ GCC SPIRIT
今回は、一般的な3mmの厚さのアクリルキーホルダーの制作によく使われるGCC SPIRITを使ってアクリル板を切り抜いていきます。
↑ カット中の模様。
通常アクリルキーホルダーの制作に使われるアクリル板は3mm厚で500mm×330mmサイズです。そのアクリル板に面付けされたアクリルキーホルダーの元を約10分程度でレーザーカットします。
4.接続パーツ(キーホルダー金具)の取り付け
最後に接続パーツ(キーホルダー金具)をつけて(今回はナスカンにしました)完成!
接続パーツ・キーホルダー金具の種類については下の記事をご覧ください!
キーホルダー金具の種類一覧|欲しいアイテムがすぐに見つかる!
以上がアクリルキーホルダー制作の全体の流れとなります。
上記の工程をご覧いただくと、 お客様自身に作成いただく「印刷用とカット用のデータ」が必要になってしまうこと。 これが、他のオリジナル、ノベルティグッズ制作に比べて、アクキー制作が「難しい」と感じてしまう要因ではないでしょうか?
オリジナルデザインデータ調整を無料にて対応中
これまで、通常はお客様に完成データでの入稿をお願いしてきました。完成データでない場合はデータ作成サポート料金として1,000円程度申し受けていました。
他社さんでもこの対応は同様です。1,500円から2,000円がデータ作成料金の相場となります。
そこで日本キーホルダー工業では、業界初の試みとしてデータ作成を完全無料にて対応させていただくサービスを開始いたしました。
お客様は作りたい画像をJPGデータで送っていただくだけ、たったそれだけでサイズの調整も、白版パスデータの作成も、カットラインの作成も吊元穴の作成も、全て日本キーホルダー工業が無料にて対応させていただきます。
オリジナルアクリルキーホルダーの印刷・カット・仕上げなら日本キーホルダー工業へ
以上のことから、
「もっとも簡単にアクリルキーホルダーを制作できるのは日本キーホルダー工業です!」
と胸を張って申し上げます。
「多くの方にアクリルグッズを」という思いの元に始まった業界初のこの試みをぜひお試しくださいませ。
ということで、今回の記事を終えたいと思います。
まだまだ紹介しきれない細かい情報はありますが、これまでにもさまざまな形でアクリルキーホルダーの作り方や、皆さまが知って得する情報を発信していますので、ぜひこちらの記事一覧をご参考になさって下さい。
いかがでしたでしょうか?
今回こうして思い切ってアクリル板の印刷やレーザーカットといった工程など、突っ込んだ部分を紹介させていただきました。まだまだ記事を書いていくことに不慣れなこともありますし、記事のサイズもどの程度が適切か、など手探りもありますが印刷事業者としてこれまでもそうしてきたように手探りの中で皆さまへの伝え方も日々試行錯誤し最適なコンテンツとなるように執筆力と発信力も磨いていきたいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
アクリルキーホルダー制作のページはこちら!
2020年10月2日 追記:
今回は実際にアクキーを制作するという工程の流れをデータ作成、アクリル板への印刷・カットという加工、接続パーツ、仕上げについて、一つひとつ紹介させていただきましたが、現在アクリルスタンドも大変多くの制作相談をいただいております。
ここはひとつブームと言っていいのではないかと感じている程です。
10年程前から、アクリルに印刷や加工を施したグッズはキャラクター業界の人気アイテムとして認知をうなぎ上りにあげてきていましたが、ここ数年はアイドルや芸人さん、スポーツ選手、そして企業の販促品といったものまでとても多くの業界でアクリルの印刷や加工をほどこしたオリジナルグッズが展開され、その表現の幅は拡大の一途をたどり日々相談の量も増えつつさらに質も変わってきているように思います。
その件は以下の記事でも紹介していますのでぜひご覧になって下さい。
そういったことも踏まえてアクリルスタンドのことも書きたい!と思ったのですが記事のサイズをいたずらに大きくしてもいけないと思い、それはまたの機会に。
キーホルダー通信では、アクキーやアクスタなどの制作方法や弊社をご利用いただいた方の作品を紹介しています。ぜひ下のURLからのぞいてみてください!
キーホルダー以外の制作もお任せください
キーホルダー以外の制作にも興味のある方は、以下サイトをご確認ください。
シール印刷・オリジナルステッカー制作の「ORDER STICKER」
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